ヒマラヤと茶の本 8 幸福と空間認識

 

ゴンパの入り口のすぐ横には小部屋があり、

中には観たこともないような不思議な像がいくつかおいてありますが、

カターが山ほどかけてあるので全貌はわかりません。

しかし、そこは何らかのエネルギーを発しているのです。

まだ、私にはそれが明かされていません。

 

そして、iphoneライトで足元を照らしながら、

突き当たりの観音開きの扉をギギーッと開けると、

正面にパドマサンババがいらっしゃいます。

 

 

ゴンパの中は基本真っ暗。

ソーラーライティングでパドマサンババとメンダレワとイシソギャルだけは、

漆黒の中浮かび上がり、

そこに一人でいることを怖がる人は、まぁ・・いるでしょう。

しかし、始めてきた時には土足で入る方々が多かったので、

埃が積もった床はコールタール化し、

歩くだけでねっとり感が伝わってきましたが、

私が滞在させていただくようになった頃には、

「土足厳禁」

という張り紙が各国語で表記され、

お掃除もしてくださり、ねっとり感はなくなりました。

私は真っ白なスリッパを持参していますが・・・

 

中はとにかく寒いのですが、

ラマさんが私が座るためにマットと毛布を2枚ご用意くださっているので、

その中に包まって座ります。

もちろんダウン2枚重ねで5枚構成という服装はこの地を出るまで決して変えません。

 

 

 

そこに座るとふと我に返る瞬間があり、

「私はどうしてここにいるのだろう?」

と思うのです。

 

思えば、5年前。

与那国島の人里離れた別荘に一人で泊まることになり、

夜中に連れて行かれたアストラルトリップ。

その最後に、

「次はここに行きなさい」

と見せられたのが、白い雪山。

マチャプチャレでした。

インドア派の私がその2ヶ月後にヒマラヤへと一人旅立ち、

マチャプチャレを玄関とするアッパームスタンへと導かれ、

何回も通い詰め、

数年経った今、「そこは現実にある場所なのだろうか?」

と思っていたガリゴンパに定期的に滞在させていただいているのです。

日本からガリゴンパまでは、距離的にも時間的にも体力的にも

相当なエネルギーを必要としますので、

この現実とは思えないくらい日常と違う空間に

やはり何回来ても、

「私はどうしてここにいるのだろう?」

と思わざるを得ないのです。

 

 

 

 

 

山本ユキブログ「イシスの息吹」より転載 
http://yukiyamamoto.hatenablog.com/entry/2018/12/11/071918